SE・PMからPMOに転身!大塚麻織さん|office Root インタビュー 第一線で活躍するPMOたち

プロジェクト推進支援(PMO)やCIO代行を行う弊社office Rootは、小規模から大規模のプロジェクトを成功へと導くサポートをしている会社です。その立役者が、弊社に在籍する協業パートナーたち。


PMOに興味はあるものの、実際にどのように働くか、どんなサポートを受けられるのかについて不安を感じることはありませんか?
そこで、今回は、弊社で活躍するみなさんに、PMOになったきっかけやoffice Rootを選ばれた理由などを伺いました。PMOに興味がある方や、フリーランスへの転身に不安がある方にとって、参考になること間違いなし! ぜひご一読ください。

SE・PMからPMOに転身!大塚麻織さん

officeRoot協業パートナー:大塚 麻織(おおつかまおり)さん(プロフィール)
大塚さんは、弊社の協業パートナーへの登録をきっかけに、会社員からフリーランスへの転身を決めました。幅広いプロジェクトを担当し、現在ではご自身の会社を立ち上げ、日々企業のあらゆる調整役として活動しています。

PMOになった経緯

甲州潤(以下:甲州):さっそくなんですが、PMOになるまでの経歴を伺ってもよろしいでしょうか?

大塚 麻織(以下:大塚):私が四年制大学を卒業し、新卒になった頃は就職氷河期真っただ中。企業を探す際もこだわりは持たずに就職活動をしていました。
さまざまな業務や業界を知る中で、「世の人の生活を便利にする側となり、喜んでもらえる製品を作りたい」という気持ちが強くなりました。そんな折、親戚でIT関連の仕事をしている人から「SEという仕事があるよ」と聞き、縁あって入社したのが某ソフトメーカーだったのです。
入社直後から、日系大手グローバル企業の新規開発プロジェクトにジョインすることができ、私のSEとしてのキャリアが始まりました。以来SE・PMとして、約20年間勤務することになったんです。

甲州:どんなキャリアを歩んでこられたのですか?

大塚:入社して3年目に開発リーダーになり、その後8年目にPMになり、いわゆるPMO的な立場になったのは12年目です。PM(プロジェクトマネージャー)の試験も受けていたので概念や大枠の仕事は知っていましたが、やはり実際にプロジェクトを動かしてみたことで、より自分事として捉えることができました。

甲州:そうだったのですね。いろいろな経験をされてきたと思いますが、PMOになるにあたり、どんなことが役立ちましたか?

大塚:組織とともにシステムの標準化を進めていくこと、数百人規模で開発に数年かかるような大型プロジェクトの経験を積めたことが、私にとって大きな収穫でしたね。プロジェクトのメンバーがスムーズに仕事を進めるにはどんな仕組みが必要なのか、あるいはどんな仕組みは不要なのか。常に自分自身で考えることを求められ、徹底的に叩き込まれたからです。

甲州:大きなプロジェクトを動かす中で、進行管理やメンバーの調整などご苦労もあったと思いますが、それらがのちのPMOにダイレクトに効いてきたんですね。その後、社内でPMO的な役割をしたあと、転職されているんですよね?

大塚:はい。SE・PMとして、ソフトウェアメーカーで約20年間勤務した後は、2社ほど経験しました。ここでもPMO的な仕事を担当しましたが、このときはまだフリーランスになることすら考えていなかったですね。

甲州:フリーランスになろうと思ったきっかけは何だったのですか?

大塚:2社目の転職先で、自分のキャリア相談を担当してくださっていた方から「フリーランスの道も一度経験してみたら? 大塚さん、きっと向いてるよ」とすすめられたんです。

当時は案件がたくさんありましたし、甲州さんをはじめ「フリーランスから法人化された」という先輩方が周りにいたため、自身の将来の姿として具体的に未来のキャリアを見通すことができました。 豊富な経験と実績に裏打ちされたアドバイスに間違いはないと信じ、思い切って転身したのです。

そして、officeRootさんのフリーランス協業パートナー登録時の打ち合わせで、フリーランスPMOとして多くの現場を経験し、市場ニーズを熟知する甲州さんから、不安・不明点を丁寧に解消していただくことで、安心して新しいキャリアをスタートさせることができました。

今から思うと、フリーランスになったのは本当にタイミングだったと思います。あのときすすめられなければ、私は今も会社員だったと思いますね。タイミングが訪れたときどうするか、人生は自分の判断ひとつだなと感じています。

様々な側面からのサポートを受けられる安心感
パートナーにoffice Rootを選んだ理由

甲州:そうしてフリーランスになられた大塚さんですが、弊社を選んだ決め手はズバリ何でしたか?

大塚:やはり甲州さんご自身がPMOとして活躍されていて、「営業と現場の両方を熟知している方だったこと」だと思います。

私は現場の経験がある程度ありましたが、フリーランスとして自分を売り込むという営業的な経験はゼロでした。そのため、自分はどれだけのことができるのか、またお客様にどんな価値を提供できるのか、というのを見つめる作業がこれまで不十分だったのです。

その点、甲州さんは、現場のニーズのみならず、フリーランスとして営業視点で市場価値と適正価格を正確に把握されています。お客様自身も気が付いていない課題や、私のスキルや経験から提供できる価値に気付かせるアプローチで提案をしてくださいました。具体的には、案件の中身や要員に求められるスキルを把握し、私の能力を最大限に活かす交渉をしてくださったのです。特に印象的だったのは、私に単価レンジごとの要求レベルを示し、「このレンジでは、こういう職務を任せられ、こういうことができないと厳しいけれど、大丈夫?」と丁寧に確認してくれたことです。

その姿を見て「単価に見合う価値を提供できるPMOになるためには、自分がスキルを向上させればいいのだ」ということも見えてきました。

甲州:良いことばかり挙げていただき恐縮ですが(笑)、率直なご意見をありがとうございます。

大塚:PMOって立場的にも業務的にもスタンドアローンなところが多いじゃないですか。やりがいもある反面、孤独感や不安も大きい。だけどoffice Rootさんは、SESや派遣のように個人PMOを客先に送り込むのではなく、PMO組織としてサポートしています。わからない点や現場で困ったことがあった時に、「月次報告や週次ミーティングなどでこういうことを聞いてきてください」と、解決につながるアドバイスをいただくことができました。この点が私自身のフリーランスとしての順調なスタートだけでなく、その後のPMOとしての成長や事業の飛躍にもつながったと確信しています。

職種の認知度が低い中、PMOとして事業を継続していられるのも、独立時の最初の協業パートナーがoffice Rootさんだったことが大きいです。

本当に困っているチームの、企業の力になれるのが、PMOの一番のやりがい

甲州:大小さまざまなプロジェクトを行ってきた大塚さんだと思うのですが、改めてPMOとしてのやりがいを感じるのはどんなときですか?

大塚:やはりプロジェクトの課題解決ができたときは、一番やりがいを感じますね。独立して最初に担当した案件で、エンジニアさんに泣きながら感謝されたことがあったんです。

甲州:泣きながら?それってどんなことだったんですか?

大塚:発足後、1年近く経過したプロジェクトへの途中参画でした。プロジェクト計画書やスケジュールがなかったので、タスク一覧を元に工数を出したところ、3か月後に控えた市場公開日に対して、8か月遅延することが予測されました。エンジニアさんは、上司からせっつかれ精神的に追い込まれている状況で、期限に間に合わないとわかっていながら残業や休日出勤をしていて、とにかく目の前の業務に一生懸命取り組んでいらっしゃいました。

甲州:プロジェクトあるあるとはいえ、現場のメンバーたちはとにかくつらいですよね……。

大塚:はい。そこで私は、現在のタスクに優先順位をつけ「今すべきこと」を役員に説明していったのです。ひとつずつタスクを整理し、やっとプロジェクトの見通しがたったときのことです。エンジニアさんが「一年近く休日出勤して、いつこのプロジェクトが終わるのかわからず、ずっと苦しかった。大塚さんも俺たちと上との板挟みになって大変だったはず……本当に助かりました」と私にまで配慮しながら涙を浮かべて言ってくださったのです。

甲州:それは印象深いですね。

大塚:私からすれば、PMOとして当然の仕事をしただけのこと。成果物を出すことも、代わりに作業することもできず、できるのはPMOとしてサポートすることだけです。それなのに、「こんなに喜んでもらえるんだ」と驚きました。

甲州:本来なら、スケジュールがひっ迫しない仕組みを淡々と作るのがPMOの仕事ですが、こういった大変な状況を何とかする、いわゆる「火消し」も大切な仕事のひとつですよね。

協業して新たな価値を生み出し、みんながいきいきと働けるホワイト企業を増やしたい

甲州:いろいろお話を伺ってきましたが、改めて今後の展望を教えてください。

大塚:PMOは今後ますます需要が増えていく仕事だと、私は思っているんです。だからこそ、PMOのなり手を育てていきたいですね。考えてみると、世の中のことは全部プロジェクトと言えますよね。プロジェクトは「限られた予算内で目的を達成するための計画・業務」ですから、システム導入も、採用も、いうなれば引っ越しひとつとっても「プロジェクト」です。プロジェクトがあるところに、PMOは絶対に必要だと思っています。

甲州:たしかにそうかもしれません。ただ、「PMOになりたい」と思っても敷居が高く感じてしまう人もいそうですよね。

大塚:はい、まさに私はその認識を変えていきたくて……! PMOはITに特化した職種と誤解されがちですが、ITの経験がない方でも、ミーティングのファシリテーターの能力が育成できれば、総務、人事といった部門でPMOを担うことができます。実務が重要で、免許が必要なわけでもありません。大事なのはセンスとやる気。これらがあればどんな方でもできると思っています。

さらに言えば、その先のキャリアにCIO代行という道もありますし、会計が詳しい方なら監査役にもなれる。今後はPMOの価値をもっと世の中の方たちに認識していただき、最終的には「子どもたちの人気ナンバーワン職業はPMO」と認知されるくらいにしたいですね(笑)。

甲州:それは素敵です! ちなみに法人を設立されたのも、そうした認知活動の拡大を見越してのことですか?

大塚:はい、それもあるのですが明確な理由が2つあります。

1つは、会社との契約上有利だからです。もちろん個人でも契約できるのですが、「法人化しているPMOに限る」と社内規定で決められている企業もあるため、個人だと選択肢が狭まってしまうことがあります。選択肢を増やすため、法人化に踏み切りました。

そしてもう1つは完全に個人的な理由です。 独身ということもあり、経済的、物理的、今私がいなくなっても困る人はいません。贅沢な暮らしにも興味はないですし、美味しいご飯を食べてラジオ体操をして健康だったらそれでいい、とどこか現状維持モードに入っていたんです。ですが最近は「人生一度切り、もっと完全燃焼したい!」と思うようになり、行きついた答えが「自分の会社をつくる」ことでした。

会社を守ろうと自分自身が「攻め」モードになる。さらに、たとえ自分のことは応援してくれなくても、会社を応援してくれる人がいれば、その人たちのために頑張れるのではないかと。結果的に、本当によかったと思っています。「自分ではないモノ」のために頑張ることがこんなにやりがいがあるなんて。ますます仕事に熱が入るようにもなりました。

甲州:素晴らしい! すごく納得感のあるお話で感動しました。これからの目標はありますか?

大塚:いろいろな方と協業して、新たなビジネスを作ることです。

私の会社のミッションは「価値共創。共に作る。いきいきした人を世に送り出す」。私と一緒に仕事をしてくださった方が、お互いにアイデアを生み出し、日本をどんどんイキイキとさせていきたい。まさに「ウェルビーイング」の考え方です。

まだまだブラック企業的に働いているエンジニアもいるでしょう。ですが、経営者も悪気があってそうさせているわけではないと思うのです。 一方、エンジニアだってPMだっていいものを納期までにつくりたいと思っているはず。それなのに、納期が遅れて上司に怒鳴られる。上司だって会社を潰したくないからしかたなく怒る。

こうやって見ると、誰も悪くありません。ただただ、スムーズに業務を進められていない、それだけなのです。そこにPMOが入り環境を整えることで、みんなが個性を認め合って調和しながら良いプロダクトが生まれていくと信じています。

もちろん、炎上したプロジェクトの火消しをするだけのPMOでは意味がありません。炎上プロジェクトには達成感があるかもしれませんが、多くのコストをかける割には何も生み出さず、事業計画を狂わせる要因です。炎上させないための仕組みを整え、成功して当たり前の実績を出せる逆算思考のPMOを育てていきたいと思っています。

甲州:最後にこれからPMOを目指す人に向けてメッセージをお願いします。

大塚:私自身、周りの「やってみたら?」の一言で新しいキャリアが始まりました。まさかPMOを経て会社を立ち上げることになるなんて、思いもしませんでした。ですから、人生何がきっかけで、どう広がるかわかりません。少しでも興味があったら「やってみて!」と背中を押してあげたいです。

office Rootさんとの協業では、PMOへの職種転向だけでなく、会社員からフリーランスへの転身についても、自身で手続きを行った経験のある方から実践的なアドバイスを受けられますので、選択肢の一つとして考えてみるのも良いでしょう。

新しいキャリアの一歩を踏み出す絶好の機会ですので、条件が1つでもあったら躊躇せず、飛び込んでみてください。

甲州:ありがとうございます!まずはやってみるにつきますね。今回は貴重なお話をありがとうございました。

office Rootでは、プロジェクト推進の中心的存在になる協業パートナーのみなさまを募集しております。