プロジェクト支援やCIO代行を行う弊社は、大型~小規模のプロジェクトを成功へと導くサポートをしている会社です。その立役者が、弊社に在籍するパートナーたち。弊社で活躍するみなさんに、PMOになったきっかけやoffice Rootを選ばれた理由などを伺いました。
グローバルに活躍後、独立!数々のプロジェクトを手がけるPMOに!MIさん
MIさん(プロフィール) 法学部を卒業後、外資系金融機関や国内外企業で貿易業務、営業補佐、社長秘書など多岐にわたる職種を経験。その後に転職した外資系自動車企業では、女性初の海外赴任者として渡独し4年間本社勤務。帰国後に初めてPMを経験、その能力が評価され、以降も転職先でさまざまなプロジェクトに携わり、フリーランスに転身。現在は、弊社の協業パートナーとして1年以上さまざまな案件を担当し、お客様から高い評価を得ている。
PMOになった経緯
甲州潤(以下:甲州):MIさんは、PMOになるまでに実にさまざまな仕事を経験されたんですよね。
MI:はい。最初に働いたのはドイツ系の金融機関で、輸出入に関する業務を担当しました。私はドイツで育った帰国子女なので、言語が武器になると思ってドイツ系企業を選んだのですが、どうしたら入社できるのかまったくわからなかったんです。そこで知人たちにアドバイスを求めて、何とか履歴書を送ったところ合格。ですが、単調な仕事に未来が見えなくなり退職し、2社ほど勤めた後、外資系自動車会社に中途入社しました。
甲州:MIさんが、今までで最も長く働かれた会社ですね。
MI:はい、そうです。今の私があるのは、その会社のおかげだと思っています。というのも、その企業でさまざまな業務に就き、また初めてプロジェクトというものに関わり、いろいろな経験ができたからです。
甲州:具体的にどのような仕事に携わられたのでしょうか?
MI:例えば、数百台ある社有車の管理を任されました。前任者が、管理書類の整理や経理処理などがうまくできなかったようで、現場はとても混乱していたのです。そこで私は、海外から届く車両を登録、管理し、社内で使用しなくなった車は中古車として売り出すという一連のプロセスを整えました。今では考えられないことですが、実はこのとき、1か月100時間以上の残業も初めて経験しました(笑)。プロジェクトで最も負担があった経理部にもずいぶん足を運んで「どうしたら、あなたたちは満足なのか」といったヒアリングをたくさんしましたね。
甲州:100時間……それはかなりハードでしたね。
MI:そうですね。忙しい中ではありましたが、ひとつずつ業務改善するプロセスが楽しくもありました。そのプロジェクトがひと段落したとき、周りから「プロセスがとてもきれいに整理できているね」とお褒めの言葉をいただけたことは嬉しかったですね。その後、そこでの頑張りが評価されたのか、今度は人事異動でコントローリングという部署に配属されたのです。
甲州:コントローリング?
MI:聞き慣れないですよね(笑)。コントローリングとは、外資系企業には必ずといっていいほどある部署で、経営戦略のための書類作成や予算・実績の管理などを行うところです。予算を申請する仕組みが社内になかったので、エクセルのスプレッドシートで予算計算書を作成しました。
甲州:それで一気に予算が「見える化」されたわけですね。
MI:ええ、そうです。ちなみにこのシートはその後、10年以上使われたそうです(笑)
甲州:それはすごい!よほど使いやすいものだったのでしょうね。
MI:ありがたいことです。その後、人事や業務監査を経験すると、本社のあるドイツへ研修に行ったり、現地のスタッフとやりとりをしたりといった機会が増えてきました。このあたりから私の運命が変わったと思っています。
甲州:というと……?
MI:というのも、私事ですが2000年に離婚し、この出来事をプラスに転換するには「離婚しなければできないこと」をしなければと思ったのです。それが、私にとっては本社への「海外赴任」でした。しかし当時、社内には正式な海外赴任制度や女性の海外赴任の前例がなかったのです。「どうしてもやってみたい」そう思った私は、社長を含め周りの人や部署に声をかけ続けました。 そしてついにドイツ本社に話がつながり、海外赴任を実現できました。
甲州:その行動力、素晴らしいですね!
MI:ありがとうございます。バックオフィスを経験し、全社、特に上層部の方に顔を知ってもらえたのも大きかったと思います。 ……とはいえ、そこから1年半かかったので決して簡単ではありませんでしたが、女性では社内初の海外赴任者として、4年間、ドイツ本社で働くことができました。幸い言語ができましたので、現地での勤務も問題なく、赴任者としては異例の昇格までできたのはちょっとした自慢です。この昇格が後押しとなり、帰国後、これまで一度も経験がなかったPMの仕事を任されることになりました。
甲州:ここで初めてプロジェクトに関わるようになるんですね。
MI:はい。国内に3か所あるコールセンターの統合プロジェクトでした。約1年間、それこそ残業100時間超えの過酷な仕事でしたが、とても楽しく全く疲れませんでした。
甲州:え〜!でも初めての経験で正解もわからない、そんなカオスな状況ですよね。プロジェクトを成功までどんなふうに導いていったのでしょう?
MI:それは私の厚かましさと気の強さが功を奏したといいますか(笑)。私は人に何かを聞くことに全くためらいがないのです。そのため、わからないことは相手が誰であろうと遠慮なく聞きに行く。その繰り返しで、最適解を見つけていきました。これがよかったのだと思います。
甲州:なるほど。それにしても初めてのPMで大規模のプロジェクト、楽しく取り組めたというのはすごいです。
MI:ありがとうございます。「プロセスに強い」こともよかったのではないか、と自己分析しています。どんなことも入り口と出口が見えると、その間のプロセスが見えてくる。このプロジェクトの場合もそうで、「ここに行き着きたい」と終着点を示された段階で「じゃあこうしていきましょう」と、すぐにプロセスがイメージできる。さらにチームメンバーにも恵まれるなど複数の事柄が重なり、プロジェクトは無事成功となりました。
50歳の節目にフリーランスへ。office Rootと出会い、さまざまなPMO案件を経験
甲州:そうしていろいろな経験をされてきたMIさんですが、独立されたのはどういったタイミングだったのでしょうか?
MI:外資系自動車会社から転職した後、外資系企業で工場の移転やシステム導入などのプロジェクトに関わりました。その会社を退職したとき、ちょうど50歳を迎えたんです。それまで自分は組織で働くのが向いていると思っていたので、独立は考えたことがありませんでした。 でも何度か転職して「自分の強みに特化して働きたい」と考えるようになり、2015年にフリーランスになりました。
甲州:そうだったんですね。はじめはPMとして独立されたとか?
MI:はい。独立にあたり自分の長所・短所分析をしたんです。得意なこと、好きなこと、嫌いなことなどを考えたとき、行き着いたのがPMでした。でもなかなか良い仕事と巡り会えず……1年目は前職の伝手で仕事をいただけたものの、翌年2016年は仕事が見つかりませんでした。それで実は1年間、80本弱の映画、40本近くの芝居を見ながらいわば遊び呆けていました。
甲州:え〜っ!またそれは意外な展開ですね。不安はありませんでしたか?
MI:もともとフリーになるとき「そんな簡単な世界ではない」と覚悟していましたから、不安はなかったです。それに遊びつつも、スキルアップのセミナーを受けたり、商工会議所のマッチングイベントに参加したりと、少しずつ動いてはいたんです。そうこうしているうちに以前勤めた外資系自動車会社から、かなり大きなプロジェクト案件への参加を依頼されて再び社員に戻るといったこともありました。
甲州:そのプロジェクトは私も伺いましたが、一般的にはなかなか携われない規模、内容のプロジェクトで素晴らしい経歴だと感じました。この頃、弊社とのお付き合いも始まった感じでしょうか?
MI:そうですね。プロジェクト自体はまだ進行中でしたが、自分のやるべきことは完了している状況でしたし、年齢を重ねた両親を思うと自分の時間も確保しなければと感じ、求職活動を始めました。ところがPMやPMOの仕事はあっても、ITの知識やエンジニア経験などを求められるケースが多く、持ち合わせていない自分は途方に暮れました。悩みながら検索していると、自分が「いいな」と思う仕事がほぼ御社の案件だったことに気づきまして。
甲州:なんと……そうだったんですね!
MI:ですから他社との比較もあまりせずご連絡し、オンラインミーティングをお願いしました。その後、ご紹介いただいた案件は、もちろん自分の希望と合致していてとても働きやすい現場でした。 何より甲州さんとお話して、その経歴やお人柄に「ここは安心できる」と確信しましたので、たとえすぐ案件をいただけなくても、お付き合いを続けていきたいと思えたんです。
甲州:ありがとうございます。MIさんはそれからさまざまな案件をお引き受けくださいましたね。お客様からの評価は言うまでもなく非常に高く、私も安心してお任せできています。弊社で働くメリット、デメリットがあれば教えていただけますか?
MI:面談予約、契約などあらゆることがオートメーション化されているのは大変素晴らしいです。ミーティングしたいとき、電話やメールでアポを取って……と考えると「やめようかな」と思うタイプなので(笑)。また契約開始のタイミングなど、必要なときにしっかりお話する機会をいただけるのも安心でした。
甲州:MIさんが優秀なのもあるのですが、逆にそれ以外のタイミングではやりとりするシーンが少ないと思います。そこに不安をお感じではないですか?
MI:何かあれば、いつでもご相談できる環境ですから、特に不安はないですね。デメリットも特にないですが、あえて言うなら20代で独立、成功されている甲州さんを見ていると「自分には価値があるのだろうか」と心配になることでしょうか。
甲州:そんなふうに思われていたんですね。それは1年以上、いろいろな案件を担当されて高い評価を得続けていらっしゃることが、すべて物語っていると思いますよ。
MI:ありがとうございます。でもフリーランスですから当然、成果により仕事がなくなることもある。つねにそう考え、スキルアップは常に意識しています。とはいえ不安に思いすぎることもないです。何せ1年間遊んで暮らせるくらいの人間ですから(笑)。
甲州:本当に、MIさんの振り幅には驚かされます。でもこれはハッキリと言わせてください。MIさんは弊社の大きな戦力ですので、今後も末長くよろしくお願いします!
同じプロジェクトは二つとないのが魅力。「強み」は仕事ではなく要素で考えて
甲州:ところで、これまで数々のプロジェクトに関わってこられたMIさんですが、PMOという仕事のやりがい、面白さは何だと思われますか?
MI:PM時代も含めると本当にいろいろ見てきましたが、そもそもプロジェクトというものがおもしろくて好きですね。同じものは二つとないし、ルーティンワークではない。それが、飽きっぽい私の性格にはとても合っていると感じます。 そしてプロジェクト達成までの「プロセス構築」や「ルール作り」という、自分が大好きで得意なジャンルを仕事にできるのが、私にとって大きな魅力です。
甲州:私も飽きっぽいので、とても共感します。プロセス整備や標準化など目的は同じでも、プロジェクトそのものは案件ごとに全く違いますからね。
MI:「トラブルシューティング」「問題解決」も好きです。一見、整然としているプロジェクトでも中に入ってみると、意外と改善点があるものです。そこに「どうやってメスを入れるか?」と考えるのも、楽しみのひとつなんです。これも甲州さんとの共通点ではないかと。
甲州:まさにその通りです(笑)!では最後にこれからフリーランスでPMOを目指したい方にメッセージをいただけますか?
MI:PMOとして必要な交渉力、調整力、ディレクション力はやればやっただけ身についていきます。それよりもまずやって欲しいのは、「長所・短所の自己分析」を行い、自分のセールスポイントを必ず確認し、なければつくることだと思います。 フリーランスは会社員に比べると、不安定な立場です。仮に仕事を失ったときも自分の強みがわかっていれば、次の1歩が踏み出しやすいはず。例えば私なら、「プロセス構築やルール作りに強い」のですが、常に「この要素は、どの業界や仕事で活用できるか?」と考えるようにしています。
甲州:なるほど。実は、弊社のヒアリングフォームも、そうした要素や特徴を引き出す目的があります。経歴書に「PMやPMOができます」とあっても、その方が具体的にどんな問題を解決してきて、どんなことが得意なのかはわかりませんから。たしかにそうですね。他にはありますか?
MI:そうですね、さらに加えるとすれば「記憶力」でしょうか。私はプライベートの記憶はほとんどないのに(笑)、仕事の記憶力はとてもいいんですよ。 例えば「誰がいつ何を言った」とか「3か月前にこういうメールが来た」とか。ですから一つの情報を得ると、「あ、あのプロセスのことだ」とまるで蜘蛛の巣のように記憶の回路がつながっていくことがあります。特に大規模プロジェクトのPMOは、多くのチームのさまざまな状況を把握しながら動くので、この能力がある人は向いていると思います。 ぜひみなさんがご自身の強みを活かして、楽しくやりがいを感じながら働ける仕事に巡り会えることを願っています。
甲州:今回は経験に基づく大変貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
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